この曲は、リムスキー=コルサコフの歌劇「皇帝サルタンの物語」から演奏会用の組曲として3曲にまとめられたもののうち、第3曲になります。
1970年代から80年代にかけて吹奏楽コンクールの自由曲としてもよく演奏された曲です。
1985年に大月東中学校の自由曲として取り上げられた際の演奏を聴いて非常に感銘を受け、いつかはこの曲を演奏してみたいと思っていましたが、それと同時に自分でも編曲してみたいという想いにかられるようになり編曲したのがこちらの譜面になります。
最初はトランペットのファンファーレから始まり、軽やかな音楽が奏でられていきますが途中から美しくロマンチックなメロディとハーモニーを伴う緩やかな流れになり、最後は盛り上がって劇的なフィナーレを迎えます。
リムスキー=コルサコフは管弦楽法の達人としても知られており、それは各楽器の機能を最大限に発揮していることにほかならず、すなわちある楽器を他の楽器に置き換えたりすることが難しい事が多いのですが、スクールバンド、アマチュアバンドの実情を踏まえ、この編曲ではハープやダブルリードがいない場合でも演奏できるようにキューを多めに施しています。
また、弦楽器の速い部分のアーティキュレーションを原曲とは少し変えたり、divにすることにより、管楽器奏者の負担を減らしたりしてみました。「少ない人数でも音楽が破綻せず合奏が楽しめる」を意識して編曲をしています。
ぜひこの素晴らしい曲に触れていただければと思います。
・作曲:N.リムスキー=コルサコフ
・編曲:梅野剛成
・楽器編成:吹奏楽
・出版:エムツープラン