「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(O.ニコライ)/ The Merry Wives of Windsor

・作曲:O.ニコライ
・編曲:梅野剛成
・楽器編成:吹奏楽
・出版:エムツープラン

 

聴いても演奏してもとても楽しく、テレビ番組のBGMなどにもよく使用されている曲です。日本の吹奏楽では1960年代からよく演奏されている曲ですが、その多くは外国版のゴドフリー氏による長二度下げた編曲でした。今回は原調での編曲です。

原曲の楽器編成がそんなに大きくないので、近年増加している中編成・小編成のバンドでも音楽が破綻せず合奏が楽しめるのではないかと考え、編曲を進めました。出版社様ともご相談いたしましてE♭クラリネットは使わず、B♭クラリネットパートに関しては2パートにしました。このところの傾向として、全体の人数と対比してクラリネットが少ないバンドが増えていることが理由の一つとしてあります。

冒頭は、原曲ではヴァイオリンの全音符のタイから始まります。ここは従来の編曲ですとフルートに吹かせることが多い部分です。ただ今まで自分が演奏会などで聴いたときに、そのあと低音の旋律が入ってきてもフルートの伸ばしの方に意識が行ってしまい、またカンニングブレスを取りながらずっと伸ばし続けるフルートがとてもしんどそうに聴こえたこともあり、冒頭の伸ばしはヴィブラフォンのトレモロにしてみました。ここは音量的に大きくなりすぎたり、音の粒が粗くなるとあまり良くないので、柔らかいマレットを使って、メロディよりも出すぎないようにそっと叩いていただきたいと思います。

1992年のニューイヤーコンサートで、ウィーン・フィルがカルロス・クライバーの指揮で素晴らしい演奏をされ、僕の中ではあの演奏が一番好きな演奏です。吹奏楽コンクールでもよく演奏されていますし、華やかな曲ですのでオープニングに演奏して演奏会などを盛り上げるのには最適かと思います。

 

・作曲:O.ニコライ
・編曲:梅野剛成
・楽器編成:吹奏楽
・出版:エムツープラン